[新型コロナ関連論文]歯科治療後のエアロゾル中のSARS CoV-2 の存在の調査

[新型コロナ関連論文]歯科治療後のエアロゾル中のSARS CoV-2 の存在の調査

2021.06.10

 本著は、超音波歯石除去と歯成形後のエアロゾル中のSARS CoV-2の存在とCOVID-19汚染距離の調査を目的としています。

 COVID-19患者24人に対し、10分間の超音波歯石除去と、5分間の歯成形を実施しました。

 患者は、無作為にAB2グループに分けられ、グループAは、治療中に中ボリュームの吸引が用いられ、グループBは、中ボリュームの吸引に加えてエアロゾルカニューレが用いられました。

 治療に先立ち、ウイルス輸送用培地を含む5つのガラス製ペトリ皿が治療室に設置され、治療後に、直ちに、その培地のRT-PCR分析を実施しました。

 その結果、グループBの全検体は陰性だったが、グループAは、5皿のCOVID-19が陽性でした。

 以上から、エアロゾルを介したCOVID-19のウィルス汚染の防止には、吸引とエアロゾルカニューレの併用が大変に重要であることがわかりました。

 更に、150 mmHgまたは、325 l/minの高ボリュームの空気量が、ウィルス汚染の除去に十分であることもわかりました。

 故に、高ボリューム吸引がCOVID-19患者の歯科治療に用いられるべきと本著では結論づけられています。

 ご興味をお持ち頂けましたら、以下のリンクよりご参照くださいませ。

 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0020653921000988