[新型コロナ関連論文]SARS-CoV-2のための唾液検体方法の診断の正確さの評価が特異な感受性とウィルス負荷との関係を明らかにする

[新型コロナ関連論文]SARS-CoV-2のための唾液検体方法の診断の正確さの評価が特異な感受性とウィルス負荷との関係を明らかにする

2021.08.13

 

 鼻咽頭の拭き取り試験が、優先的な検体収集方法としてSARS-CoV-2の診断に考えられています。

 しかし、唾液収集のような検体収集方法は医療従事者を必要としないことから、更に好ましいとされています。

 本研究では、約2,800人から、鼻咽頭拭き取り検体と共に、口から吐いた唾と口腔内拭き取りによる2つの唾液検体を得て、感受性を比較し、症状とウィルス負荷毎に階層化しました。

 全検体は、RT-qPCRによりテストされました。

 その結果、SARS-CoV-2 検出のためのRT-qPCRの感受性は、鼻咽頭拭き取り検体の場合は、30.5%であり、2つの唾液検体の場合は、21.9%でした。

 しかしながら、中~高度のウィルス負荷に集中した場合、唾液検体の感受性は、症状の差に関係なく、93.9%(吐いた検体)と76.9%(口腔内拭き取り検体)へ、それぞれ向上しました。

 以上から、SARS-CoV-2検出の為、唾液検体は、未だに鼻咽頭の拭き取りからの置き換えは不可能だが、中~高度なウィルス負荷の患者の確認は可能かもしれないと本論文では結論づけています。

 ご興味をお持ち頂けましたら、以下のリンクをご参照ください。

 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1525157821002415