[新型コロナ関連論文]COVID-19の貧困世帯の生計への影響:エチオピアの南ワオとオロミナゾーン

[新型コロナ関連論文]COVID-19の貧困世帯の生計への影響:エチオピアの南ワオとオロミナゾーン

2021.12.13

 

 世界人口の生命、生計、幸福に大変に影響を及ぼしているCOVID-19蔓延は、世界的な現象であるが、その影響度合いや深刻さは、グループ間やセクター間によって異なります。

 発展途上国、低い教育程度と高い貧困率とあいまった貧しいインフラの場所では、COVID-19蔓延は、失業、日雇い収入の減少、非食糧安全保障の上昇、預貯金の枯渇、市場システムの崩壊の結果となっています。

 本研究では、エチオピア国の南ワオとオロミナゾーンの零細農民の生計活動に係るCOVID-19蔓延の影響に関して調査しました。

 約32,000世帯の内、275世帯を無作為に選択して検体とし、20209月と11月に、インタビュー調査を実施しました。

 その結果、彼らの主要生計手段は、作物生産(97.4%)、家畜飼育(77.4%)、日雇い(47%)、小規模ビジネス(31.4%)、家畜取引(30.7%)、送金による収入(24.8%)、炭販売(11.1%)、社会保障制度からの収入(17%)でした。

 そして、その88.89%の生計手段が、COVID-19蔓延に影響を受けました。

 例えば、日雇い(34.82%)、小規模ビジネス(26.3%)、家畜取引(23.7%)、送金による収入(21.49%)というような結果が出ています。

 このことは、COVID-19蔓延は、特に、作物生産以外の多様な生計手段に影響を及ぼしているといえます。

 故に、政府や他の開発パートナーは、即座に長期的な介入戦略を、COVID-19蔓延に最も影響を受けているこれらの世帯に、社会保障プログラムを通して、市場との繋がりと資金を回転させて実施すべきであるとしています。

 ご興味をお持ちいただけましたら、以下のリンクをご参照ください。

 The effects of COVID-19 on livelihoods of rural households: South Wollo and Oromia Zones, Ethiopia - ScienceDirect