[新型コロナ関連論文]南アフリカにおけるオミクロン懸念される変異株(VOC)の臨床的重症度の早期評価

[新型コロナ関連論文]南アフリカにおけるオミクロン懸念される変異株(VOC)の臨床的重症度の早期評価

2022.03.22

 

 SARS-CoV-2のオミクロンVOCが、2021年11月に南アフリカで検出され、COVID-19の新規感染者数の増加に関係しています。

 著者らは、サーモフィッシャーサイエンティフィックPCR検査におけるSpike Gene Target Failure(SGTF)を用いたオミクロンVOCの臨床的重症度の評価を目的としました。

 このため、南アフリカCOVID-19ケースデータ、SARS-CoV-2ラボ検査データ、SARS-CoV-2ゲノムデータ、COVID-19入院データとデータリンクを実施しました。

 TaqPath PCR検査による個人の診察、感染は、SGTFまたは非SGTFで示されました。

 デルタ株はゲノム・シークエンスによって検出されました。

 2021年10月1日から11月30日の期間に、多重ロジスティック回帰分析モデルを用いて、重症度と入院を、SGTFと非SGTFで診察された個人を比較によって評価し、更に、2021年10月1日~11月30日の期間にSGTF感染個人と、2021年4月1日~11月9日の期間にデルタ株感染個人を、比較により重症度を更に比較しました。

 この結果、2021年10月1日(39週)から12月6日(49週)に、328ケースのCOVID-19が南アフリカで報告されました。

 38,282人がTaqPath PCRテストで診察され、29,721人がSGTF感染、1412非SGTF感染が確認されました。

 SGTF感染割合は、39週に63中2(3.2%)から、48週に22,455中21,937(97.9%)へ増加しました。

 入院に関係する要素をコントロールした後に、SGTF感染個人は、入院オッズ(≒見込み)が、非SGTF感染と比較して著しく低くなりました(10,547中256(2.4%) vs 948中121(12.8%);調整オッズ比0.2、95%Cl 0.1~1.3)。

 重症度に関係する要素をコントロールした後に、重症度オッズは、SGTF感染入院した個人と非SGTF感染の間で、類似していました(204中42(21%) vs 113中45(40%);オッズ比0.7、95%Cl 0.2~0.5)。

 重症度に関係する要素をコントロールした後に、早期デルタ株感染個人と比較したところ、SGTF感染個人は、重症度のオッズは著しく低いものでした(793中496(62.5%) vs 244中57(23.4%);オッズ比0.3、95%Cl 0.2~0.5)。

 このことから、同時期に診察されたSGTF感染個人 vs 非SGTF感染個人間の入院オッズは著しく低い結果でした。

 SGTF感染個人は、早期デルタ株感染個人と比較して、重症度のオッズを著しく減少させました。

 いくつかのこの減少した重症度は、以前の後退によるものかもしれません。

 ご興味をお持ちいただけましたら、以下のリンクをご参照ください。

 Early assessment of the clinical severity of the SARS-CoV-2 omicron variant in South Africa: a data linkage study - ScienceDirect