[新型コロナ関連論文] 高固形物濃度嫌気的消化における使い捨てフェイスマスクの運命:実験観察と環境学的影響のレビュー

[新型コロナ関連論文] 高固形物濃度嫌気的消化における使い捨てフェイスマスクの運命:実験観察と環境学的影響のレビュー

2021.02.08


本論文では、COVID-19流行により人々が使用したマスクの環境への影響が

書かれております。

世界的にも人々が使用しているマスクの大方が使い捨てで、非資源ゴミと共に

捨てられている事から、都市のマスクゴミの廃棄物処理施設での高固形物濃度

嫌気的消化(HSAD)の影響が調査されました。

その結果、マスクゴミを含む都市廃棄物の有機物の画分が、メタンの生産と動態

へ負の影響を与え、累計メタン生産率は減少し、菌増殖の誘導期は増加したとの

ことです。

マスクゴミの量よりも素材である重合体素材タイプが問題である可能性があるよう

で、マスクの分解過程を観察した結果、40日後も未分解だった事から、堆肥化、

土壌施用、土地埋め立て等への未分解マスクの影響に関する更なる研究が必要

なようです。

これらは、プラスティック類汚染の潜在原因であり、抗生物質耐性遺伝子を生態系へ

拡大伝搬している可能性が高いため、安全で信頼できる使い捨てマスクの廃棄

ガイドラインと管理計画の開発が必要ではないかと結論づけられています。

 

参照論文:Fate of disposable face masks in high-solids anaerobic digestion:

Experimental observations and review of potential environmental implications

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666016421000049