[新型コロナ関連論文]60歳以上の健康な人々における不活性SARS-CoV-2ワクチン(CoronaVac)の安全性、許容度、免疫原性:ランダム化二重盲偽薬対照1/2フェーズ臨床試験

[新型コロナ関連論文]60歳以上の健康な人々における不活性SARS-CoV-2ワクチン(CoronaVac)の安全性、許容度、免疫原性:ランダム化二重盲偽薬対照1/2フェーズ臨床試験

2021.06.08

 COVID-19のワクチンは、COVID-19の有病率と死亡率の高い高齢者へ緊急に必要とされています。

 本調査は、COVID-19ワクチン候補の安全性、許容度、免疫原性を評価することを目的としています。

 中国河北省任丘市の60歳以上の高齢者を対象に、COVID-19のワクチンCoronaVacのランダム化二重盲プラセボ対照1/2フェーズ臨床試験を実施しました。

 ワクチンまたはプラセボを、2回(0日目と28日目)に筋肉注射で参加者に接種しました。

 フェーズ1では、参加者を2グループに無作為に分け、グループ1の参加者には、CoronaVac3μg注射または、プラセボを接種し、グループ2の参加者には、CoronaVac 6g注射または偽薬を接種しました。

 フェーズ2では、参加者は無作為に、1·5 μg3 μg、または、 6 μgCoronaVac、もしくは、プラセボを接種しました。

 フェーズ1には、各グループ24人、プラセボ24人の合計72人が、フェーズ2には、各介入100人と、プラセボ50人の合計350人が参加しました。

 その結果、安全性に関し、両フェーズにおいて、接種後28日以内に副作用が、1.5μgグループ(20%)、3μgグループ(20%)、6μgグループ(22%)、プラセボグループ(21%)に生じました。

 全ての副作用は、軽度か中程度の深刻さと注射部痛が最も頻繁で、ワクチンと関係がないと考えられる重度の副作用の報告が8件ありました。

 フェーズ1では、2回目の接種の後に、免疫原性を判断する血清転換が、3μgグループ(100%)、6μgグループ(95.7%)で観察されました。

 また、フェーズ2では、血清転換が、1.5μgグループ(90.7%)、3μgグループ(98.0%)、6μgグループ(99.0%)に生じました。

 以上から、CoronaVacは、高齢者において安全で耐性があると言えます。

 中和抗体力価は、3μg投与と同様に6μg投与によって引き起こされ、1.5μg投与よりも高くなります。

 フェーズ3において、CoronaVac 3μg投与のCOVID19からの保護を評価しています。

 ご興味をお持ち頂けましたら、以下のリンクをご参照ください。

 https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(20)30987-7/fulltext